私は小説を読むのが好きです。
でも、決まった作家の方の作品しか読めません。
だから、よく読む本がなくなってしまいます。
そんな時は、本屋さんの平台を眺めて、惹かれた本を買うことがありました。
そんな風に出会った一冊です。
あらすじ
小学4年生のときに交通事故で足を悪くしてしまった「恵美ちゃん」と病気がちで入退院を繰り返す「由佳ちゃん」は、長縄の縄回しをきっかけに仲良くなりました。
恵美ちゃんと由佳ちゃんは、ふたりだけが友だちでした。
それは「みんな」を信じていないから。
しかし、他の子と関わることなく生活することはできません。
クラスで女王様のように振る舞う子。
その子のご機嫌を損ねないようにする子。
クラスの人気者の男の子。
なんでもできちゃう転校生。
なんだかなにをやってもうまくいかない子。
みんなにもそれぞれの物語があります。
いろいろな子と関わることで、「友だち」の本当の意味をさがす話です。
- 学校の人間関係はつらいことが多いとリアルに描かれている
- この物語はきみのみんなの物語
学校の人間関係はつらいことが多いとリアルに描かれている
私は、中学1年生の時に転校をしました。
その時、母や周りの大人に言われて納得できなかったことがあります。
「子どもはすぐに慣れて仲良くなるから」
これを言われるのすごく嫌でした。
「そんなのひとそれぞれじゃん!」と思っていました。
今思うと、子どもの方が人間関係構築するの大変な気がします。
だって、子どもは自分の感情でいっぱいいっぱいで、うまくコントロールができないから。
だから、わがままだし、時に残酷だし、どうしても優劣をつけてしまいます。
その、思春期の心の揺れ方、人間関係などを重松清さんはすごくリアルに描きます。
いじめのシーンなどは、「あんまりひどすぎない?」と思うくらいで、読んでるだけで涙がでそうになります。
だけど、「恵美ちゃん」は交通事故を経験したことで、ある意味達観してしまいます。
恵美ちゃんは、きっと学校生活を思春期のきらきらした感じでは過ごせなかったです。
でも、恵美ちゃんは強く信じるものがひとつあったので、自分をしっかりもっていろんな物事を見ることができたと思います。
私も中学生の時、恵美ちゃんと友だちになりたかったなと思います。
(たぶん友だちになれなかっただろうけど)
この物語はきみのみんなの物語
「きみの友だち」の中には、きっと「こんなことあったな」とか「こんな人いたな」とか「こんなこと思ったことあるな」などと感じることがひとつはあるんじゃないかと思います。
たぶん、どこの学校でも起こっている出来事、どの学校にもいる子たちの気持ち、そんなものがたくさん散りばめられてる物語です。
だから、大人になったときじゃなくて、学生の時に読みたかったなと強く思いました。
まとめ
私はこの本を読んだ時に、ぜったい自分の子どもに読ませたいと思っていました。
長男が中学学生の時に、「読書の時間に読む本がないからなんか貸して」と言ったので、迷わずこの本をすすめました。
長男もなにか感じることがあったようで、「またこれと同じような本を貸して」と言いました。
けど、そんな本私は他に知りません。
だって、この本に全部おさまってしまってるんだから。
次男も中学生になったので、次男にもすすめたいと思います。