本日紹介するのは、またまた益田ミリさんの本です。
益田ミリさんのことどんだけ好きなんだってかんじですけど・・・
『一度だけ』は小説です。
益田ミリさんは、エッセイや漫画のイメージが強かったので、小説もあるんだと思ったのが読むきっかけになりました。
あらすじ
夫の浮気が原因で離婚し、介護ヘルパーになった弥生。派遣社員の妹・ひな子と暮らしている。ある日、叔母がブラジル旅行に妹を誘う。なぜ自分ではなく、妹なのか。悶々とする弥生は、二人が旅行中の一週間、新しいことをすると決める。ぶつかってきた女性を尾行したり、バーでひとりウイスキーを嗜んだり……。まだ見ぬ自分に出会うための物語。
出版社より
登場人物それぞれの人生
姉 弥生の人生
夫の浮気により離婚し、介護ヘルパーとして働く弥生。
きれい好きでしっかり者のお姉ちゃん。
周りには稼ぎのいい旦那の一度くらいの浮気くらいゆるしてやればよかったのに、と言われながらも無理しない範囲で仕事をしている。ある日、ジムのプールで知り合った起業している女性と出会う。
彼女のキラキラした生活に憧れ、ある日一緒に仕事をしないかと誘われるが・・・
弥生の人生に、わかる!と共感できるところが多いけど、なんだか危うさもあって読んでいてハラハラしてしまいました。
旦那の浮気くらい許せばよかったのに、って簡単に言う人がいるけど、浮気”くらい”なんだろうか?
40歳近くなると新しく仕事をするとなると、なかなか選べないし、慢性的に人手不足の介護職になるんだろうなと感じました。
妹 ひな子の人生
一度も正職で働いたことがなく、ずっと派遣社員として仕事をしているひな子。
姉の弥生が離婚し、慰謝料としてもらったマンションで一緒に暮らすことに。
ある日叔母の清子からブラジル旅行に誘われる。
そのツアーで出会った和菓子店の夫婦に、独身の息子が2人いると知って・・・
ひな子は、末っ子だけあってわりと自由奔放な感じです。
ちょっと思考が飛躍的すぎて、ちょっと怖いなと私は感じました。
登録派遣会社の担当者に、旅行先のブラジルから絵ハガキをおくります。
なんでそんなことするんだろう?と私は思いましたが、ひな子の中にはハガキを送る理由があるのです。
自分には理由があっても、周りからみたら「なんでそんなことするの?」とか「なんでそんなこと考えるの?」ってことになるんだなと思いました。
叔母 清子の人生
叔母の清子は未亡人だが、資産家なので生活には困らず裕福な暮らしをしている。
子どもがいないので、姪のひな子を誘ってブラジル旅行に出かける。
帰りの空港で、以前付き合っていた男性と再会する。
叔母の清子も末っ子なので、明るく自由な感じの人です。
いいのか、悪いのか、不倫をしていたようです。
お金があって、やりたいことができて、行きたいところの行けるのは幸せなんだろうなと思うけど、でもどこか淋しげな感じを受けました。
姪の弥生にたいして「むかしから損得にこだわる子だったから」と評しています。
家族・親類でも心の中では冷静に評価ってするもんだよなと思いました。
まとめ
はじめて、益田ミリさんの小説を読みました。
特に大きな出来事が起こるわけでもなく、それぞれの生活の中が描かれています。
正直、読み終ってなんだかモヤモヤした感じがしました。
たぶん、どの人の人生もうらやましいとは思えなかったからじゃないかなと思います。
でも、たぶんみんなこんな感じの人生なのかもしれません。
日常って全然ドラマチックじゃないし、なんとなく毎日が過ぎていくけど、その中でいろんなことを考えて生活している、
ある意味すごく等身大の小説なんだろうなと思いました。