Kindle Unlimitedで、おすすめに出てきて読みました。
Amazonのレビューを見ても、高評価が多い作品です。
ことわ荒太著 『月の裏に望む』は2018年に電子書籍で発表された作品です。
書籍での出版を望む声もありますが、いまのところは電子書籍でしか発売されていないようです。
あらすじ
他人の闇を覗き見る快感。
全てが上手くいっているはずなのに、何か足りない…。仕事で。家庭で。恋愛で。決して見ることのない、月の裏のような闇を抱いて生きる人たち。
このままで良い訳がない。だけどもう、やめる事も出来ない。何かが欠けている日常から逃れるように、強く依存しあっていく。
全ての人物の抱える闇が明らかになったとき、あなたは必ずこの物語を読み返す事になるだろう。
Amazonより引用
「月の裏に望む」のおすすめポイント2つ
あらすじや、紹介文なども読まずに読み始めました。
先入観なく読むのもいいものだと思いました。
ポイント①:大人にはそれぞれ事情がある
結婚していても、恋愛はしてもいいのでしょうか?
誰もが羨む夫婦にもそれぞれひみつがあります。
完璧な妻にも夫の知らない裏の顔があり、夫も上手に隠してきた浮気とは違う本気の恋愛をしていたり…
妻子がある男性とわかっていながらも、惹かれてしまう若い女性。
年の離れた友だちの奥さんに、どうしようもない憧れを抱いてしまイケメン。
そんな大人の恋愛模様が、この狭い人間関係のなかで描かれています。
完璧だと思われている女性が、「私もいろいろ事情があるのよ」と言っていました。
事情っていえば許されるのか?と疑問です。
大人って自分のために、いろんな理由を作って勝手なことするよな〜
ポイント②:短編小説かと思いきや、すべては繋がっていた
全部で6章からなる物語で、そのすべての語り手が異なります。
最初の3章を読んだ段階では、それぞれが違う話で短編なんだと印象を受けました。
短編なのに、中途半端だなと感じていました。
しかし、4章を読んだときに「あれ?この人ってあの人だよね?」と思いました。
4章以降は、それまでに出てきた登場人物が、違う人間関係で登場します。
最後まで読み終わると、「なるほど、全部の人間関係は少しずつこう繋がっていくのか!」とわかりました。
一度じゃ相関図を理解できないので、読み直したほうがさらにおもしろさを感じそうです。
まとめ
「月の裏に望む」は、語り手の気持ちがリアルに描かれています。
なので、共感できないと登場人物が好きになれないかもしれません。
私も正直好きじゃない人もいました。
しかし、話が繋がっていることが分かったときの気持ちは、なんとも言えないものでした。
Amazonのレビューで、「1度ではわからない。2度読んでこの本のおもしろさがわかる」と書かれている方がいました。
確かに、そうなんだろうと思います。
私ももう一度読んで、そのおもしろさを確かめてみたいです。