【小説】おすすめの時代小説 宮部みゆきの三島屋変調百物語事始シリーズ

ミステリーの女王として知られている宮部みゆきさん。

現代ミステリーももちろんおもしろいですが、今一番オススメなのは時代劇ミステリーの三島屋変調百物語事始シリーズです。

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現在は、7作目まで刊行されています。

文庫化は5作目までです。

目次

あらすじ

17歳のおちかは、ある事件をきっかけにこころを閉ざしてしまう。
江戸で、叔父夫婦が営む袋物屋『三島屋』で、仕事を手伝いながら過ごしていた。


ある日、叔父の伊兵衛から「お客様の話を聞いてほしい」と頼まれる。
「黒白の間」と呼ばれる部屋でお客様の話す不思議な話を聞いたおちか。
伊兵衛はおおいに喜び、これからは不思議な話を聞いて、要約して自分に話してほしいと言いはじめる。

そうして始まった、黒白の間での「百物語」。

おちかは、様々な不思議な話を聞いていくうちに、心が溶けていくのを感じる。

今日もまた、三島屋に不思議な話をしにお客様がやってくる。
いったいどんな話だろう。

シリーズ一覧

1作目 おそろし 三島屋変調百物語事始

第一話「曼珠沙華」
曼珠沙華の花を恐れる建具商がその理由を語る。

第二話「凶宅」
錠前屋が語った怪しい空き屋敷にまつわる話。

第三話「邪恋」
幼なじみに許嫁を殺されたおちか自身の告白。

第四話「魔鏡」
自殺した女の魂がこもった古い鏡にまつわる話。

第五話「家鳴り」
第二話で語られた空き屋敷事件のその後の顛末。

2作目 あんじゅう 三島屋変調百物語事続

第六話「逃げ水」
水を涸らす〈お早さん〉に憑かれた少年の話。

第七話「藪から千本」
人形にいつの間にか突き刺さっている針の話。

第八話「暗獣」
紫陽花屋敷に住みついたまっ黒い化け物の話。

第九話「吼える仏」
不思議な力を備えた木仏にまつわる話。

3作目 泣き童子 三島屋変調百物語参之続

第十話「魂取りの池」
男女の仲を裂く、やきもち焼きの神様の話。

第十一話「くりから御殿」
からくりのような不思議な山屋敷の話。

第十二話「泣き童子」
赤ん坊が泣きやまない恐ろしい理由について。

第十三話〜第十六話「小雪舞う日の怪談語り」
①十人が迷子になってしまう奇妙な家の話。
②風変わりな戒めのある木橋にまつわる話。
③人の病を見抜くことができる目の話。
④病人の体に取り憑いたどす黒い影法師の正体。

第十七話「まぐる笛」
人を喰らう〈まぐる〉という巨獣の話。

第十八話「節気顔」
二十四節気の日になると顔が変わる男の話。

4作目 三鬼 三島屋変調百物語四之続

第十九話「迷いの旅籠」
旅の絵師の行動により死者が帰ってきた村の話。

第二十話「食客ひだる神」
評判の弁当屋の主人にはあやかしが取り憑いていた。

第二十一話「三鬼」
山番士として寒村に派遣された侍が鬼に出会った。

第二十二話「おくらさま」
商家の蔵座敷に住んでいる恐ろしい守り神の話。

5作目 あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

第二十三話「開けずの間」
行き逢い神に取り憑かれ滅んだ一家の話。

第二十四話「だんまり姫」
あやかしを呼び寄せる声が不思議を起こす話。

第二十五話「面の家」
世に災いをもたらす面を守る番人とその家の話。

第二十六話「あやかし草紙」
読んではいけない冊子を写した侍の話。
(同じ顔をした六人の男と結婚した老女の話)

第二十七話「金目の猫」
十四年前に三島屋を去った金目の白猫の話。

6作目 黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続

第二十八話「泣きぼくろ」
再会した友が語り始める一家離散の恐ろしい運命。

第二十九話「姑の墓」
村の女たちが<絶景の丘>に登ってはならない理由。

第三十話「同行二人」
妻子を失った走り飛脚が道中めぐりあう怪異。

第三十一話「黒武御神火御殿」
異形の屋敷に迷い込んだ者たちを待つ運命。

7作目 魂手形 三島屋変調百物語七之続

第三十二話「火焰太鼓」
摩訶不思議な力であらゆる火災を制す神器の真実。

第三十三話「一途の念」
一途な愛が引き起こした悲しき事件。

第三十四話「魂手形」
木賃宿に泊まったお化けによる復讐譚。

おすすめポイント3つ

ポイント①百物語のひとつひとつの内容が濃くておもしろい

純粋に、ひとつひとつの百物語がおもしろいです。

中には背筋が凍りそうなほど怖い話もあります。

常識だけでは考えられない出来事は、今も昔も変わらないんだと思います。

しかし、江戸時代だからこそ、こんなこと本当にあったのかもしれないなと思うともっとおもしろく感じます。

ポイント②おちかの成長

17歳のおちかは、実家での川崎でとてもつらい経験をして、心身ともに弱っていました。

そんなおちかを不憫に思い、叔父の伊兵衛はおちかを呼び寄せました。

「百物語」を聞くうちに、おちかは自分の経験したことから徐々に立ち直っていきます。

そして、奉公人や出入りの本屋さんなどと心を通わせるようになります。

おちかは若くても芯の通ったしっかりした娘さんで、その凛とした姿にも心惹かれます。

ポイント③今も続いているシリーズ

現在も続いているシリーズです。

間があいてしまうと、正直前作の内容を忘れてしまったりします。

でも、まだ先が読めると思うとワクワクします。

私は文庫でしか本を購入しないので、まだ6作目と7作目は読んでいません。

なので、これから読めるのがとても楽しみです。

※おちかが百物語の聞き手のシリーズは1〜5作目までです。
6作目以降は、百物語の聞き手が伊兵衛の次男に変わります。

宮部みゆき「三島屋変調百物語」シリーズ特設サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/mishimaya/

まとめ

ミステリー好きの方はもちろん、時代小説好きの方にもおすすめのシリーズです。

これだけのボリュームでシリーズものっているのも読み応えがあっていいです。

秋をとおり越して冬の気配漂いますが、秋の夜長のおともにいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

鹿児島に住んでるシングルマザーです。
40代で会社を辞めてWEBライターに転職を決意しました。
WEBライターになるための活動などを発信していきます。

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